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2009.08.05

個人情報と著作権

 
今年の始め、IBMが不祥事をやらかして、神奈川県立高校の全在校生約11万人分の個人情報がWinnyに放流されてしまった事件がありました。これが、なかなか興味深い展開をたどっているようですよ。
 
 
以下、報道をもとに経過を簡単にたどります。

IBMは事態を収拾するため、WinnyやShareで問題のファイルを共有しているユーザーに対して、プロバイダを通して共有をやめるよう連絡してもらいました。

多くの人はこれで共有をやめたのですが、一部のバカな悪質ユーザーが、IBMと神奈川県教育委員会に対する制裁のつもりか、個人情報の「再放流」を繰り返します。

悪質ユーザーに対して直接連絡をとるべく、IBMはプロバイダに対して発信者情報開示請求をします。

通信の秘密を守る義務のあるプロバイダは、当然拒否。

それに対してIBMは裁判所に提訴。別にプロバイダに喧嘩を売ってるのではなく、このへんの手続きはお約束です。

裁判所が仮処分を決定。

プロバイダは、プロバイダ責任制限法にもとづき、悪質ユーザー情報の開示請求に応じます。プロバイダとしても、裁判所に命令してもらった方が楽なんですな。

IBMは悪質ユーザーに対して、ファイル共有をやめるよう直接要請。

それでもやめない超悪質ユーザーに対して、IBMは裁判所を通じて仮処分を申請。
 
 
……てな感じの民事事件だったのですが、最近事件に進展がありました。

なんと、超悪質ユーザーが逮捕。刑事事件に発展します。しかも容疑は著作権法違反! 放流したファイルの中に IBM のプログラム作成仕様書が含まれていたからですって。
 
 
神奈川の生徒情報流出、50歳男逮捕 著作権侵害の疑い(asahi.com、2009年7月29日)

高校生の個人情報とIBMプログラムを拡散(YOMIURI ONLINE、2009年7月29日)

流出した個人情報を故意に再放流した犯人、著作権法違反で逮捕(スラッシュドット、 2009年07月31日)
 
 
いまのところ「ファイル共有ソフトによる個人情報流出を直接取り締まる法律はない(asahi.com)」ので、警視庁としては悩んだ末の苦肉の策なんでしょうねぇ、きっと。
 
 
(ここから先は、妄想です)

それはそれとして、個人情報を著作権で扱うのは、ちょっといいアイディアだと思ってしまいました。

今回の事件をみるまでもなく、今の世の中、個人情報が漏洩するのを完全に防ぐのは、どうやっても不可能でしょう。 しかも、一度流出した情報を完全にコントロールするのは、技術的に絶対にできません。

ならばいっそのこと、個人情報は漏洩するものだとあきらめてしまう。そのかわり、個人情報を利用する権利を、情報持ち主に限定してしまえばいい。

要するに、個人情報やらプライバシーはすべて知的所有権と同様に扱い、持ち主の意に反した使い方をされたら、訴えたり利用料を請求したりできるようにしてしまえばいいんじゃないかな。

もちろん、単純に知的所有権と言ってもいろんな形があるし、住所氏名電話番号生年月日等々の情報のうちどの組み合わせを個人情報と定義するのか難しそうだし、法律の整備はすごく大変でしょう。

でも、少なくとも現状の穴だらけの個人情報保護法に頼り、自分の情報を他人に自由に使われても泣き寝入りの状況よりは、みんな幸せになれそうな気がするけどな。勝手に迷惑メールを送ってきたSPAM業者に、メールアドレス情報の使用料を請求できたら気持ちいいだろうな。
 
 
(もしかしたら、自分の個人情報をオープンソースとして公開する人もでてくるかもしれない。GPLやCCのもとで個人情報を公開したらどうなるのか……なんて想像すると、ちょっと楽しい)
 

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