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2009.03.21

話題の映画に便乗して、科学者が専門分野を語ることは、科学コミュニケーションとして正しいと思う

 
物理学者が、映画の中の設定に対して、科学的に反論したそうです。

東大教授、映画に科学で反論「反物質で爆弾、不可能」(asahi.com、2009年3月19日)

当人によるサイト

物理学者とともに読む 「天使と悪魔」の虚と実 50のポイント(東京大学 早野龍五)

ちょっと引用

「天使と悪魔」への反物質の登場は、CERNで実際に行われている反物質研究に興味を持っていただく良いチャンスである一方「科学者達がこっそりと危険な研究をしている」という誤解を生む懸念もあります。

エンターテイメントの科学性を論じるのは「やぼ」と承知していますが、原作冒頭から「事実」として反物質のことが記されており、一般の方々には、虚実の境目が見分けにくいと考え、天使と悪魔に登場する反物質の虚実皮膜を絵解きし、我々日本グループも深く関わっているこの研究の現状についてお伝えしたかったのです。ちなみに、私自身は(CERNが出てくることもあってなおさらのこと)原作を楽しく読みました。

CERNというところは、ブラックホールだとか反物質だとか、いろいろと誤解があってたいへんだ。
 
 
それはともかく、asahi の記事を読んだ瞬間は、もしかして映画の宣伝の一環なのか……とも思ったけど、それなりに真面目にかたっているようですね。

「やぼ」を承知の上で、フィクションに対して専門分野から突っ込みを入れるというのは、作品を楽しむ方法のひとつとして、まったく正しいことだとおもいます。楽しみながら突っ込みが出来るというのは、良質なエンターテイメントである最低条件かもしれません。その点では、この「天使と悪魔」という作品は、少なくともCERN関係者や物理学者からみて、それなりのレベルだということなんでしょう。(僕は原作は読んでないけど)
 
 
それはそれとして。

今回のこれは、ちょっと意地悪な見方をすると、話題の映画や小説に便乗して自分の専門分野について宣伝してしまったとも取れます。でも、これって、科学技術コミュニケーションやらアウトリーチの手法としては、僕はなかなか効果的でよろしいものだと思いますよ。興味を持って話を聞いてくれる人も多いだろうし、上手くやればお金をかけずにマスコミが取り上げてくれるし。

ただ、この手法は、うまくやらないと失敗する可能性もありますね。専門家からみた欠点をあげつらうだけでは、反感を買うだけだろうし、かといって、逆に誉めまくって映画の宣伝ととられても、やっぱり反感を買うでしょう。自分の専門分野を語るだけでなく、作品に対して愛情を持ってきちんと評論することが必要なわけです。
 
 
愛情がある作品に対して、自分の専門分野をからめた解説、あるいは評論を熱く語るというのは、絶対に楽しいはずです。本人が楽しいコミュニケーションは、よっぽど独りよがりなもので無い限り、相手だって楽しいはずです。そして、科学技術コミュニケーションなんてものは、楽しいコミュニケーションであるべきです。

というわけで、科学者が、自分が好きな映画・小説・まんが等々を、自分の専門分野にからめて熱く語るのは、科学コミュニケーションとして全く正しい手法だと思うわけです。巷で流行のサイエンスカフェなんかも、まんがやアニメがテーマでもいいと思うな。
 

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セキュリティ&コンサドーレ札幌のブログ記事から. > 物理学者が、映画の中の設定に対して、科学的に反論したそうです。 > >>東大教授、映画に科学で反論「反物質で爆弾、不可能」(asahi.com、2009年3月19日) メディアの使い方がうまいなあ. マスコミを味方に引き込んでアウトリーチ活動するなんて...... [続きを読む]

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