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2009.03.10

「無線LANただ乗り」と「デジタルデバイド」

 
小中学生がDSやPSPを使って他人の無線LANに勝手に接続するのが流行っているのだそうです。

携帯ゲーム機にて、無線LANのアクセスポイントに「ただ乗り」する子供達 (スラッシュドット、2009年03月09日)

無線LAN無断接続やめよう(三陸河北新報社、2009.03.07)

三陸河北新報の記事によると、宮城県気仙沼市で小中学生がDSやPSPを使って無線LANを「ただ乗り」して使う行為が行われているとして、小中学校が保護者に注意喚起を行う文書を配布したそうだ。また、気仙沼市教育委員会も各校に文書で注意を促す予定とのこと。

パスワードのかかっていない無線LANの「ただ乗り」は以前から問題になっていたが、小中学生の場合「ただ乗り」は無自覚にやっていることが多いと思われる。学校では「他人の家のトイレを勝手に使うような行為」と説明し、「ただ乗り」をやめるように指導しているとのこと。

(スラッシュドット)


 
 
「無線LANただ乗り」といっても、「DSやPSPを使っている小中学生」に限定して考えると、たいした違法性は無いのだろうなぁ、きっと。

あまり法律には詳しくはないけど、無線LANの電波を覗くだけなら完全に適法のはず。たとえネットワークに接続しても、暗号化やらアクセス制限やらのセキュリティ設定がなされていないネットワークなら、不正アクセスにはならないだろう。ほとんどの場合、プロバイダ料金は定額だろうから、罪を問われるとしたら、他人の通信機器自体や電気を勝手に使った窃盗罪かな?

要するに、どちらかというと「法律」というよりも「マナー」の問題。 で、「マナー」の観点から見て、この行為が許されるかどうかというと、こんなここ数年で顕在化した問題について、社会的な合意ができているとは思えない。ていうか、こんな問題があるということすら認識していない人が多いだろう。

僕個人としては、自分が金出して買ったネットワーク機器や契約しているプロバイダを屋外からガキどもに勝手に使われるのはイヤだけど、損害が発生しないのなら無線LANくらい公共財として近所の無邪気なガキどもに提供してもいいと考える人がいても、不思議はないとも思う。難しい問題だ。
 
 
 
はなしはかわって。

これが、限定された通信しかしないゲーム機はなくて、一般的なPCを使って他人の無線LANを利用するとなると、ちょっと話が違ってくるかもしれない。セキュリティかかっていない無線LANに接続すること自体はともかく、接続して他人の機器に対して悪さをしたり、他人の無線LAN経由でネットで不正行為をおこなったりするのは、もちろん犯罪だ。実際にそこまでしなくても、「家のカギが開いていたから覗いてみました。でも何も盗んでないので犯罪じゃありません」なんて理屈は、すくなくともマナーの観点からは許されるものではないだろう……と僕は考える。

同様に、セキュリティ無しの設定で無線LANを使っている方も、マナー違反だ。自分の財産なんだから、自分で守るのは当たり前。まだ、わざと誰でも使えるような無線LANを用意しておいて、ハニーポットをしかけ、間違えて接続した初心者の通信を覗いたり、乗っ取ったりするのは、許されることではない。自分の無線LANは、他人が使えないようちゃんとセキュリティ設定をするのがマナーだ……と僕は考える。

「他人の無線LANは使わない」「他人に使われないようにセキュリティ設定をする」というマナーは、僕だけではなく、ちょっと知識がある人にとっては常識だと思う。思うのだが、社会全体で合意のとれているものかというと、あまり自信がなかったりする。

実際、誰でも自由に接続可能な無線LANはそこら中にあり、意識しないまま他人の無線LANに勝手に接続しているPCもたくさんある。勝手に接続する方も、接続される方も、それがどれだけ危険をはらんでいる行為なのか自覚していないし、多くの人は知ろうとすらしない。
 
 
 
DSやらPSPで無線LANただ乗りをしているガキどもは、確かに幼い頃から情報機器を使いこなしているようにみえるけれども、液晶ディスプレイから見えないところにどんな仕組みがあり、それを維持するために誰がお金を払っているか、そしてそこにどんな危険が潜んでいるのか、どんなマナーが必要なのかについて、大人以上に理解しているわけではない。それは大人が教えてやらなけりゃいけないのだけれど、教えてやれるだけの知識をもつ大人と、もたない大人がいて、両者の間ではマナーやら問題意識にそれはそれは大きな差が存在するわけだ。

ちょっと前、情報機器が使えるか使えないかの格差を表すデジタルデバイドという言葉が流行ったけど、ガキでも情報機器を使えて当然の世の中になった今、ほとんど使われなくなってしまった。

そのかわり、情報機器に関するマナーやセキュリティの知識があるかどうかのデバイドが、深刻な問題になってきような気がするな。情報漏洩とか、いじめとか、児童ポルノとか、詐欺とか、テロとか、ネットで生じる多くの問題を解決するためは、社会全体で新たなルールやマナーを構築していかなきゃならんのだが、このデバイドが大きな障害になっているのではないか。業界の端くれにいる人間としてこのままではいかんとは思うのだが、即効的な解決策がおもいつかない。地道な啓蒙しかないのかなぁ、やっぱり。
 

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