CPUを開発した日本人と、家紋が刻まれたCPU
言うまでもなく、PCは数多くの部品から出来ていますが、中でも最も重要な部品は、人間で言うと頭脳にあたるCPUというLSIです。
最近のPCに使われているCPUは、ほとんどがインテル社の製品(もしくはその互換品)が使われています。製品名でいうと 「Core 2 Duo」 とか 「Atom」 とかが多いですかね。
インテル製のCPUの歴史を遡っていくと、「Pentium」 、一世を風靡した16ビットCPU 「486DX4」 、AT互換機やPC98に使われた 「80286」 、そして現在のPCの元祖である初代 IBM PC に搭載された16ビット(のふりをした8ビット)CPU 「8088」 あたりにたどり着きます。
しかしもちろん、それ以前にもCPUは存在しており、インテル製のものでは、8ビットCPU 「8080」 、 「8008」 、 そして史上初の商用4ビットCPU 「4004」 まで遡ることが出来ます。
1971年に発売になった 「4004」 は、もともと電卓をつくるための部品として日本企業がインテルに発注したもので、その開発には発注元の日本人、嶋正利が大きな役割を果たしています。というか、ロジックの設計に関しては、ほとんど嶋正利がひとりで行ったそうです。
嶋正利(ウィキペディア)
現在のほとんどのPCの中核技術であるCPUの開発に、日本企業と日本人が重要な役割を果たしていたというのは、ハードもソフトもPCの中核技術のほとんどを米国に握られてしまった現状からはちょっと信じられないことです。70年代に、通産省あたりの先の読めない官僚が、もう少し賢く行動してれば、状況は大きく変わっていたかもしれませんね。
さて、嶋はその後、インテルに入社し、「8008」や「8080」の開発にも関わります。その際、CPUのLSIのパターンに、なんと彼の家の家紋をいれたそうです。
i8080のロジカル設計の中心となったのはビジコン退社後、リコーを経てインテルに入社した嶋正利だった。開発者の特権として彼はパターン余白に嶋家の家紋を刻んだ。Intel 8080(ウイキペディア)
PCの歴史を語る上で決して無視することの出来ない「8080」のパターンの中に、日本人の家紋(「丸に三つ引き」だそうです)がきざまれているとすると、それは考えるだけでなかなか楽しいことです。
……ですが、本当なら是非ともこの目で見てみたいと思って、「8080」のパターンの写真をみても、それらしき物を発見できないんですよね。
8080B.jpg (intel)
intel8080dielarge.jpg (Florida State University)
CPUのパターンの作り方はよく知らないのだけど、小さくて見えないだけなのかな? それとも、もともと表面から見えない層に描かれているのか? ロッドによって違う? 詳しい方、教えてください。
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コメント
http://www.cpu-galaxy.at/CPU/Intel%20CPU/8080%20-%208086/Intel%208080%20section-Dateien/8080%20Core%20self.jpg
このチップ画像の左下。
丸に三本線がそうらしいです。
投稿: 通りすがり | 2010.11.18 21:27