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2006.01.11

監視カメラ

新生児誘拐事件についての報道で、容疑者の車を追いかけるのに「Nシステム」が大活躍したとの報道が、しつこいほどなされています。

また、犯罪のターゲットにされがちな児童の保護のため、通学路に監視カメラを設置しようという動きも盛んらしいですな。Nシステムに代表される監視カメラの類って、犯罪防止や容疑者逮捕に効果があるんですかね?
 
 
一方で、監視カメラ社会を嫌う人々もいます。

例えばこの人。

通学路のカメラ設置を批判 田中康夫長野県知事(goo ニュース)

「県教委の試算では、中山間地域が8割を占める長野県内の小、中、高校など計702校に4台ずつカメラを設置すると、経費が計約8億4000万円に上る。田中知事は「これだけの費用があれば警備員や警察官も増やすことができるかもしれない」とも述べた」……正論です。

8億円という金額の正確性についてはわかりませんが、まずは費用対効果を考えねばならないという考え方は正しいですな。限られた予算の中で多数の児童を確実にまもらねばならないからこそ、「まずは監視カメラ」という思考停止は避けなければなりません。

また、こんな記事もあります。

増加し続ける監視カメラに反旗を翻すハッカーたち(hotwired)
増加の一途をたどる監視カメラに抵抗するハッカー達(スラッシュドットジャパン)

「西洋社会は人々によって正当化された警察国家となり、説明責任を負おうとしないエリートに支配されようとしている」
「われわれにはこれを方向転換させるのに十分な技術的知識がある。連中を公衆の面前に引っ張りだし、彼らについてわれわれが知っていることをすべて公表して、監視されるとどういう気分になるかを教えてやろう」

……かっこいい。いくつになっても、こーゆー思想に共感できる人間でいたいな。さすがにこの年になると、ここまでストレートにはなれないけど。
 
 
さて、私もNシステムをはじめ監視カメラについては嫌悪感を感じています。それを前提として、自分なりに監視カメラについて脈絡無くいろいろ考えてみました。
 
 
その1 本当に監視カメラは犯罪予防に効果あるのか?

確かにNシステムは犯人逮捕につながりました。通学路にカメラがあれば、変質者を後から特定して逮捕できるかもしれません。

しかし、ちょっと考えればわかることですが、カメラは犯人逮捕につながっても、犯罪の「予防」にはほとんど効果がありません。

「カメラがあるから犯罪をしない」ような中途半端な悪人は、もともとそれほど問題ではありません。本当に怖いのは、「カメラがあれば犯罪しないだろう」という常人の常識が通用しない狂った犯罪者、もしくはきちんとカメラを避ける計画的な犯罪者のはずです。

いま求められているのは、「犯人逮捕」よりも「犯罪予防」です。その観点からみれば、同じお金を使うのならば、監視カメラよりもガードマンや通学バスの整備の方が優先でしょう。田中康夫もたまにはまともな事を言うね。
 
 
その2 そのカメラは誰のもの?

私が監視カメラに嫌悪感を感じるのは、そのカメラの向こうで誰が、なんのために見ているのかわからないからです。

Nシステムのカメラの向こうには、警察や公安のコンピュータがいて通過する全ての車のナンバーを無差別に記録検索しています。警察(政府)を信用するかどうかは別にして、監視もとは一応あきらかで、ましな部類といえます。

しかし、そこらへんにあるカメラは、いったい誰がみているのか、ほとんどの場合明らかにされていません。建物の中にあるカメラはまだしも、道路を見張っているカメラは誰がみている? 警察? 自治体? 町内会?

カメラを設置した人にはそれなりの理由があるのでしょうが、映される側には関係ありません。悪人がカメラを設置して、被害者を物色している可能性だってあります。まずは、カメラの設置元を表示する決まりが必要でしょう。話はそれからです。
 
 
その3 情報保護ポリシーがない

今どき、個人情報を扱う場合、その扱いが個人情報保護法に引っかかるかどうか関係なく、個人情報保護ポリシーを掲示するのが当然です。なのに、個人情報であるはずの顔の映像が映った監視カメラの録画データについて、何らかのポリシーが掲示されているのを見たことがありません。Nシステムも同様です。

私がいつどこにいたのかが記録されたデータを、なんに使うのか、誰がつかうのか、いつまで保存されるのか、このへんのポリシーが公開されない限り、私は公共の場での監視カメラの乱用には反対です。

今はまだそれぞれのカメラの画像を別々の人間が監視してるのでしょうが、近い将来、コンピュータが多くの画像を同時に分析、自動的に顔を判別するシステムができるでしょう(もうあるかも)。そうなれば、全ての人が、いつどこにいて何をしていたのか、データベース化されます。そのこと自体の是非はおいといても、そのデータの取り扱いポリシーは必要でしょう、やっぱり。
 
 
その4 管理者のアリバイとセキュリティ業界の利権

「また事件が起きた! 何らかのセキュリティ対策をせねばならない! 予算はあるから」……というとき、責任ある立場の人は、何を行うでしょう?

たいていの場合、お役所仕事いうものは融通が利きません。予算も一過性のもので、恒常的なものはなかなか難しかったりします。

しかし、ガードマンとかスクールバスは、毎年毎年予算が必要です。

すると、もっとも簡単なのが、カメラを設置することです。とりあえず目に見える形で予算を消化できますから。たとえ来年度以降に予算が足りなくなって、画像を監視する人を確保できなくなっても、外からはわかりゃしません。

あと、警察官が多数天下っているセキュリティ機器業界が、今をチャンスと学校や自治体に強烈な売り込みをかけているはずです。で、もっともてっとり早く売りやすいのが、人材確保難や体制の構築が難しいガードマンの常時派遣サービスなんかより、メーカー製品をちょっと改造したカメラでの遠隔監視システムだろうなぁ……というのは、単なる妄想ですよ、ええ。
 
 
てなわけで、本当に脈絡がなくなってしまいました。

特に結論めいたことは無いのですが、強いていえば「大事なことだからこそ、思考停止しないで費用対効果を考えましょう」ですかね。ついでに、プライバシーの問題も、安全と同じくらい大事です。

つづく。 ……たぶん。

 

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