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2005.12.27

科学リテラシーとセキュリティリテラシー

 ウイルス対策ソフトとかファイアーウオールとかのセキュリティ関連ソフトは、最近はそれほど特別なものではなく、一般の消費者も普通に利用するようになりました。一方で、スパイウェアとかボットとか、特定少数をピンポイントで狙う悪の手口は巧妙化の一途をたどり、市販のセキュリティ製品では防ぐのは非常に困難になってしまいました。いまや、消費者のPCの安全を守る方策は、いかにして消費者自身のリテラシーを向上させるのか、その点にかかっていると言えます。

 で、高木先生はこうおっしゃっておられる。

アンチウイルスベンダが消費者のリテラシー向上を期待しないという構図(高木浩光@自宅の日記)

「今第一に行うべきことは、ユーザへのリテラシ教育に他ならない。「無理です」と言ってみせるのは簡単だが、やれることはあるだろう。それを差し置いて、あたかも対策ソフトを買うことで問題が解決するかのようなことを言うのはエゲツない。」 ……そのとおりですな。

 サイバーテロの問題が注目をあび、政府の第1次情報セキュリティ基本計画」(案)には「個人の情報セキュリティリテラシーの向上を目指して教育を推進」とうたわれている状況では、業界も金儲けだけ考えていてはダメだろう。

 いかにして消費者自身のリテラシーを向上させるのかを、業界全体の問題として(もちろん政府も巻き込んで)、検討しなくてはなりません。
 
 
 さて、はなしはかわって。
 これと似たような問題提起を最近どこかで見たような気がすると思ったら……思い出しました。

 北大で受けてきた「科学コミュニケーション」関連の講義のひとつです。 関連した記事がないかとググって探してみたら、出てきた記事がこれ。引用の引用で申し訳ないですが、おそらくもっともわかりやすい記事です。

科学コミュニケーション(Fixing A Hole)

「アメリカでは「Scientific Literacy」をキーワードに、科学の専門家ではない一般市民の科学理解を向上させる試みが、あれこれと行われてきたのだとか。しかしそうした試みの中で、当の科学者のあいだからも「科学コミュニケーション」の困難さを訴える声が出ているらしい」

 要するに、「一部の科学者は市民の科学リテラシーを向上させるべくいろいろ努力しているのだが、「市民は無知だから教えてやる」という発想だと、これがなかなか難しい」……ということかな。
 
 
 科学者もセキュリティ屋も、悩んでいることは同じなわけですな。
 
 それでも、科学者達はかなり昔から市民の科学リテラシー向上のための方法を社会学的にいろいろ研究しているらしいです。その成果をセキュリティ分野にも応用できないものですかね?
 
 
 もちろん、セキュリティ関連業界は一般消費者をあくまで商売のターゲットとしてみているわけで、科学者達とはちょっと立場が違います。私だって、個人消費者を相手にするメーカーに勤めているわけじゃないので、こんな気楽な事をいえるわけですが。

 でも、似たような問題は、科学者だけでなくあらゆる業界の現場で起こっているはずです。営業面とはまた別に、どうすれば市民のリテラシーを高められるのか、いろんな業界で悩んでいる現場の人はいっぱいいるでしょう。ちょいと、そっち方面をいろいろ調べてみようかね。

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