« J2第41節 札幌3-3京都 | トップページ | コミュニティ形成ツールとしてのblog »

2005.11.21

blogはコミュニケーションの場ではなく自己表現の場だと思う


「ブログ・コミュニケーション」についての講義を受けてきました。

コミュニケーションの道具としてのブログの可能性について、なかなか興味深いお話をうかがうことができました。詳細はこちらです。
やっぱりブログはスゴイかも知れない(5号館のつぶやき)

ただ、「blog をコミュニケーションの場として運営する」という考え方には、私はちょっと違和感を覚えるわけです。そんなに難しく考える必要はないんじゃないかと。
 
 
blogの特徴というと、こんな感じでしょうか。
・RSSが使える
・コメントが使える
・トラックバックが使える
・誰でも簡単に使える

このうち上のふたつは、別にblogでなくても普通に使われています。ですから、blogを最も特徴付ける機能は、トラックバックだと言えるでしょう。(インターネット史的には、実は4番目が最も重要な気もしますが)

インターネット上の任意の意見(エントリー)に対して「いや、自分はこう思うんだ」と言いたい時、自分の意見(エントリー)からトラックバックを送って強制的にリンクさせることにより、読む人を含めて議論に巻き込む。その連鎖により、blogを利用した議論がインターネットの空間内に形作られていきます。

さて、ネット上におけるある話題に関した議論の場というと、古くからネットニュースとかメーリングリストとか掲示板システムがありました。それぞれバックボーンとなる仕組みは全く異なりますが、参加者の意見が連鎖することによって議論が進んでいくという点は同じです。

ここで、いろんな話題について議論が行われている、匿名ではない掲示板を考えてみます(例としては、スラッシュドットなんかがいいかな?)。掲示板の議論には、Aさん~Zさんの26人が参加しているとします。これだけ参加者が多いと、掲示板をスレッドに従って読んでいるだけでは、参加者それぞれの思想的な背景について理解するのは難しいかもしれません。そこで、例えばAさんについて詳しく知りたいと思ったときはどうすればいいでしょう? 掲示板上の複数のスレッドから、Aさんが書いた記事を抽出して時系列で並べてみれば、Aさんの人となりが少しは見えてきませんかね?

……これ、まさに「Aさんのblog」と同じであると言ってもいいんじゃないでしょうか? Aさんは意識していなかったかもしれませんが、Aさんの書いた記事の羅列は、Aさんの自己表現になっているわけです。

ここで重要なのは、「コミュニケーションの場」はあくまで掲示板(もしくはネット全体)であり、記事の羅列(すなわちblog)はその構成要素にすぎません。blogというのは、ネット全体に広がる議論の連鎖のデータベースから「著者」を条件に抽出した結果に過ぎないのです。

逆に考えても同じです。Aさん~Zさんがそれぞれblogを作り、いろんな事を議論していたとします。それぞれのblogにあるリンクやトラックバックをたどり、スレッド形式の掲示板を再構成することはそう困難な事ではないでしょう。これからわかるとおり、blogはそれぞれの人となりを表現していますが、議論の場は元々のblogではありません。
 
 
何が言いたいかというと、blogをやるのに「ここをコミュニケーションの場にしたいから、立派に運営するぞ!」なんて気張る必要はなくて、単なる自己表現のひとつだと思ってガンガン議論ふっかけなさい……と言うことです。コミュニケーションの場はネット全体であり、その運営はブロガーの世論が行ってくれます。

元々blogというのはそういうツールであって、自分でコミニュケーションの場を作りたいのなら掲示板でもSNSでも他によっぽど適したツールがあるので、それを使って自らが管理人となるべきでしょう。

もちろん、自己表現と言っても多くの人に見られるとうれしいですから、そのための弛まぬ努力は必要でしょうし、荒らされたり炎上したりしないよう気をつかうことも重要です。でも、その程度の気遣いはもともと実社会での生活でも必要ですし、「場を提供せねば」と気張るのに比べれば楽なものでしょう。

せっかくの誰でも使える新しいメディアです。できるだけ多くの人に、まずは難しいことは考えず、何でもいいからblogでの自己表現をしてみてほしいですね。
 

|

« J2第41節 札幌3-3京都 | トップページ | コミュニティ形成ツールとしてのblog »

コメント

 トラックバックありがとうございました。特に異論はありません。おそらく、私とコンサドーレさんとの間にそれほどの認識の違いはないと思っています。
 ただ、あえてひとこと言わせていただくと、私は「場を提供するために」ブログをやりましょうと主張したのではなく、ブログをやっていると、それがつながっていき、「自然に場(コミュニティ)ができてしまう」ということのすごさを言いたかったのです。ネット社会に参加する個々人が、肩肘張る必要がないというのは、まったくおっしゃるとおりだと思います。

投稿: 5号館のつぶやきおやじ | 2005.11.22 10:21

コメントありがとうございます。
コミュニティをつくるためのblog、という発想は、目からウロコでした。よく考えてみれば当たり前のお話なんですけどね。
そこらへん、本日のエントリに詳しく書いてみたので、よろしければそちらもご覧ください。

投稿: sapporokoya | 2005.11.23 00:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18696/7255515

この記事へのトラックバック一覧です: blogはコミュニケーションの場ではなく自己表現の場だと思う:

» コミュニティ形成ツールとしてのblog [セキュリティ&コンサドーレ札幌]
 ここ数日、blog の役割についてちょいと考えております。で、先日の「blo [続きを読む]

受信: 2005.11.23 00:01

« J2第41節 札幌3-3京都 | トップページ | コミュニティ形成ツールとしてのblog »