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2005.05.08

「ニュースサイト」と「脳の短期記憶」のアナロジー

 ここは、いつもは1日あたり数百程度のアクセスしかない地味なblogなんですが、ここ数日なんとこれが万単位にまで激増しております。いったい何事が起こったのかと内心ビクビクしていたら、どうやら数日前に書いた物が「ニュースサイト」とよばれるサイトにリンクされたためらしいですね。ありがたいことです。
(半年に1度くらいづつこーゆー事があるのですが、その度に何事かとビビってしまう気が弱い私)

 そんな数日間のログを眺めていると、この「ニュースサイト」とよばれるサイト群にはいろいろと特徴があることがわかります。

 1.ニュースサイトって、意外とたくさんある。
 2.お互いがお互いをチェックしており、その影響力は複雑な網目構造になる。
 3.影響力のあるところが元記事にリンクを貼ると、次々と他のサイトに伝染していく。
 4.新しい記事に押され、古い記事はすぐに沈んでいく。
 
 
 さて、実は昔からちょっと考えていたことがあります。「WWWのハイパーリンクの構造って、脳の中のニューロンの構造と似てるなぁ」と。(インターネットの物理的なトポロジーのお話ではありません。どちらにしても決して目新しい考えではありませんが)

 脳の中の記憶のシステムには「短期記憶」と「長期記憶」というものがあるそうです。どちらも大量のニューロンが形作る網の目構造によるもので、刺激があるとまず脳内の海馬に「短期記憶」が作られ、そのうちの多くは一時的なものですぐ忘れられますが、一部は「長期記憶」として長く記憶に残るのだそうです。

 上記に挙げた「ニュースサイト」の特徴を見てみると、これって脳の中で「短期記憶」が形成される過程に非常によく似ていることがわかります。WWWの世界をひとつの脳味噌にたとえると、外部からの刺激(なんらかの面白い記事)を海馬のニューロンの構造が一時記憶に貯える(ニュースサイト群がリンクを貼る)、そして忘れていく(リンクが過去ログに沈んでいく)わけです。

 つまり、「ニュースサイト」が「海馬のニューロン」、「リンクの元記事」が「記憶の元の刺激」、「リンク関係のトポロジー」が「ニューロンの構造」、ついでに「人間やロボットによるリンクのクリック」にあたるのが「シナプスの伝達物質」、てな感じでしょうか。

 もちろん実際の脳味噌の中では「短期記憶」のうちの重要な物は「長期記憶」に変化するわけで、これは、ある記事がニュースサイトで注目されたことがきっかけとなって、ニュースサイト以外のサイトにも永続的なリンクが貼られる事に例えられるかもしれません。たくさんのサイト、アクセス数の多いサイトに永続的なリンクを貼られた記事ほど、「強烈な長期記憶」になるわけですな。

 こう考えていくと、実は「ニュースサイト」ってのは、WWWの世界で重要な情報を選別しスムーズに長期記憶に移行するため、かなり不可欠な役割を果たしているのかもしれませんね。ニュースサイトの管理人の方々は苦労が多いのでしょうけど、頑張って欲しい物です。
 
 
 
 話は大きく脱線しますが、以下はSFオタクの妄想で余談です。

 このWWWと脳のアナロジーで考えると、ひとつ重要な疑問がでてきます。WWWのハイパーリンクの構造そのものが、記憶装置を備えた一種の人工知能といえるのではないか? そして、これだけ巨大で複雑になったWWWは、いつの日か本当の知性を持つ可能性はないのか?

 確かにWWWといっても単に抽象的な物で、脳のように電気刺激が自律的に動く物理的な構造を持つわけではなく、あくまで人間がクリックしなきゃ動かない論理的な物にすぎないのですが、知性云々のお話をするときにはそれはあまり関係ないでしょう。いつの日か、WWW構造そのものが汎人類的なメタ意識を形成したら、……それはどんな物になるのか、たのしみだなぁ。

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